幹細胞コスメがエンジンケアに良いと注目されていますよね。
でも幹細胞って、何が何に効くのか良く分からなくないですか?
幹細胞コスメとは何なのか、どうしてこんなに分かりにくいのか考えてみたいと思います。
そして幹細胞にアプローチするコスメの中で、例外的にメカニズムがとっても分かりやすいエリクシールを取り上げます。
幹細胞コスメを理解するための「定義」
幹細胞コスメには明確な定義はないと思います。
なので、勝手に定義したいと思います。
【定義】幹細胞コスメとは:
幹細胞※1を肌につける、または、肌内にもともとある幹細胞に働きかけるコスメ
なぜ幹細胞コスメが分かりにくいのかというと、働きかける側(化粧品の成分)が幹細胞のこともあれば、働きかけられる側(自分の肌)の幹細胞をターゲットにしていることもあるからです。
※1 化粧品に配合されるのは幹細胞の培養液です。
幹細胞コスメを理解するための「分類」
幹細胞コスメを使うとき、幹細胞は働きかける側にあるのか、それとも、働きかけられる側にあるのか。これを整理しないと頭が混乱してきます。
働きかける側の幹細胞(またはその培養液)と、働きかけられる側の幹細胞に注目して分類してみましょう。
【分類】幹細胞コスメと肌の関係:
1.コスメに幹細胞が含まれており、これが自分自身の肌の幹細胞に働きかける(両方の幹細胞が問題)
2.コスメに幹細胞は含まれていないが、自分自身の肌の幹細胞に働きかける別の成分が配合されている(肌側の幹細胞だけが問題)
3.コスメに幹細胞が含まれているが、自分自身の肌の幹細胞には働きかけない。肌の幹細胞とは無関係に美容効果を発揮(コスメ側の幹細胞だけが問題)
幹細胞コスメが分かりにくい理由「ずらし」
幹細胞コスメの解説を読んでいて分かりにくいのは、上の分類のどれに当てはまるのかが明確でなかったり、途中で話が変わってきたりするからです。
幹細胞コスメを複数紹介するような記事でも、最初は「ヒト由来の幹細胞を配合しています!」というコスメを紹介していたのに、途中から、「肌の幹細胞を活性化してくれます!」というコスメを紹介しだしたり。え?こっちのコスメに幹細胞は入ってないんだ…それでも同じ幹細胞コスメなんだね、ともやもやします。
幹細胞コスメが分かりにくい理由「マニア情報」
幹細胞コスメが分かりにくい最大の原因は、肝心なところがスッキリしないまま、細かいところの情報がやたら専門的だったり、話が大きすぎたりするからです。
「幹細胞には植物由来の幹細胞とヒト由来の幹細胞があり、その違いはというと…」とか(細かすぎる)。「幹細胞は最先端の再生医療でも注目されいます!」とか(話が壮大)。
一番知りたいのは、肌に外から幹細胞(またはその培養液)を塗ったらどうなるの?ってこと。
まさか、そのまま自分の細胞として肌の一部になったりはしないよね。だとすると、肌内にもともとある自分の幹細胞に何らかの影響を与えるってことかな。それとも、自分の幹細胞とは関係ないところで、潤いだとか、ハリだとかを出すような働きをしてくれるってことかな?
このあたりが本当にあいまいなんだよね……。
化粧品に幹細胞が含まれているのは分かりました。自分の肌の中にも幹細胞があることも分かりました。で、この2つの幹細胞はどんな関係にあるの? そこを説明してくれないと、幹細胞コスメがどうして効くのかわからないじゃん!
幹細胞コスメで唯一分かりやすい「エリクシール」
幹細胞コスメがどうして効くのかについて、納得のいく解説を見つけることはできなかった。唯一の例外はエリクシール。
エリクシールは幹細胞を配合しているのではなく、肌内にもともとある幹細胞に働きかける別の成分を配合している。このことを明確にしているだけでも高評価に値するよね。なぜなら、それはとても分かりやすいし、分かりやすいということは幹細胞コスメ界にあっては極めて稀なことなのだから。
幹細胞に働きかける「エリクシール シュペリエル エンリッチドセラムCB」
肌は外側から表皮→真皮の順に層になっています。資生堂は、表皮と真皮にそれぞれ異なる役割を持った幹細胞があるとしています。ここでは表皮幹細胞に関する資生堂の研究を取り上げます。
年齢を重ねると肌のうるおいやハリが失われてきますが、これにはヒアルロン酸の減少が関係しています。ここまでは一般常識ですよね。
資生堂は、
- 表皮幹細胞がヒアルロン酸を生み出す能力を持つ
- 基底膜が分解されると表皮幹細胞が減る
ことを明らかにしました。
基底膜というのは、表皮と真皮の間にあり、ここから新しい肌細胞が生まれる場所です。紫外線によるダメージや老化の影響で基底膜が分解すると、肌の老化が進みます。このとき表皮幹細胞も減少しています。
基底膜の分解を防ぐことができれば、表皮幹細胞の数が維持されるので、それだけたくさんのヒアルロン酸を生み出すことができ、肌のうるおいやハリを保てるでしょう。
では、どうやって基底膜の分解を防ぐのか?
それは「ムクロジエキス」と「ウコンエキス」の働きによってです。この2つの成分には、基底膜を分解してしまう酵素(ヘパラナーゼとゼラチナーゼ)の働きを抑える効果があります。
「エリクシール シュペリエル エンリッチドセラムCB」はムクロジエキスやウコンエキスを配合しているので、表皮幹細胞の数をキープし、ヒアルロン酸をちゃんと生み出せる肌にしてくれるというわけです。
これを「幹細胞コスメ」と呼ぶとすれば、それは幹細胞を配合しているからではなく、肌内にある幹細胞にアプローチできる成分(ムクロジエキスとウコンエキス)を配合しているからです。
このメカニズムなら、とても分かりやすいですよね。
参考:
「資生堂、世界初・表皮幹細胞が肌のうるおいを左右することを発見 表皮幹細胞がヒアルロン酸量をコントロール」
まとめ
いかがでしたでしょうか。幹細胞コスメって何だか分かりにくいと感じていたのは私だけではないはず。
ここでは幹細胞コスメを理解するために、「なぜ幹細胞コスメは分かりにくいのか」に注目しました。
多くのメーカーや販売元は、コスメに含まれる幹細胞と肌内の幹細胞をごっちゃにしていたり、個別に説明して2つを関連づけていなかったりします。その結果、どうして幹細胞コスメが効くのか分からないということに……。
そうした中、エリクシールは幹細胞に働きかけるメカニズムが基礎研究によって裏付けられています。
幹細胞コスメが流行っていますが、自分としては、肌の幹細胞にちゃんと働きかけてくれるなら成分は何でもよくて、幹細胞そのものや培養液が配合されているかどうか、にはこだわらないかな。そんなことより、どうして効くのか教えてよと。